オイルクーラーの移設

たまには車のネタでも。

私は、車をいじるのが好きである。方向性としては、ノーマルよりもやんちゃで、かつ自分にとって快適な方向性で。さらに、外見がノーマルに見えるように。逆の言い方をすると、目に見えないところをいじるように。

やんちゃな方向といっても、もともと車を選ぶ時点でやんちゃな車を選んでいるので、基本的な車いじりの方向性は、やんちゃな走り方をしても壊れない、ということになる。そのため、油温、水温、ブースト圧などのメーターを取り付けたりして走りながらオイルの温度が上がりすぎていないかをモニターしているというわけ。実際には、たまーに気が向いたらメーターに目を向けてヤバイ温度域に達していないことを確認するだけなのだが。

今乗っている車は水温よりも油温が先に上がるタイプの車なので、クローズドコースなどで飛ばして走るときには油温に気をつけなければならないが、折角走りにきているのに油温上昇によってクールダウンを余儀なくされるというのも面白くない。そこで、後付のオイルクーラをとりつけている。取り付けたのはグレックス(TRUST)のオイルクーラーキットだが、このキット、インプレッサ用のものに関しては装着当初から疑問を感じていた。

クーラーコアを車両右前に取り付けるのだが、(少なくとも)D型以降この位置には吸気系のサクションボックスが入っており、クーラーコアを取り付けるためにはこれを切り落とさなければならない。実際問題、サクションボックスを切り落としたところで何か不都合を感じるようなものでもないが(若干アクセルオフでのパシュー音が大きくなるくらい)、クーラーコアを左前に装着することにすれば、サクションボックスを切り落とす必要はない。

更に大きい問題として、サードパーティー製の等長エキマニを装着するとエンジンからクーラーコアまでの配管がエキマニ配管と干渉する。ところが、クーラーコアが左側にあれば、等長エキマニと干渉が少ない配管経路を設定でき、オイルの配管をエキマニの熱害から防ぐことにもつながる。一方、(手間がかかることを除けば)オイルクーラーを左前に移設することによるデメリットはないように思える。そこで、オイルクーラーを右前から左前に移設することにした。

最初に手をつけたのは、オイルクーラーコアへの導風板やブラケットの製作である。オイルクーラーを移設するにあたり、キットに付属の金具類は全て使えなくなる、そのため同様の機能を実現するための部品を自作しなければならないのだ。


実は、今回の移設のさらに2年位前。オイルクーラーのコアが破損し別のコアに交換した。このとき入手したコアはキットのものとは異なっていたため一部のブラケットは自作したものを使用していた。そのため、後付のブラケットを設計するための資料(取付け部分の寸法など)の入手には困らなかった。手元に必要な寸法の情報が残っていたので現物から採寸する手間が少なかったからである。勿論車の取付け部分寸法は左右で異なるため、ここだけは採寸に必要があったが。

オイルクーラーのコアは、車体の前部にあるブレーキ冷却用の導風口からの空気を当てることにしている。ところが、オイルクーラーに十分な風を当てるためには空気の抜き側に十分な大きさの穴を空ける必要があるため、タイヤハウスのインナーを加工した。
ただし、大穴を開けるだけではタイヤが跳ね飛ばした石などでクーラーコア自体が破損する恐れがある。そこで、ホームセンターで購入した植木鉢の底敷きに使用する樹脂製の網をガード用として取り付けた。

また、前からの飛び石によりクーラーコアを保護するために、焼き魚用の網を加工して導風口に取り付けた。




以上製作品を駆使して取り付けるとこんな感じになる。

タイヤハウスのインナーを取り付けて作業完了。

ただ、この改造には一つだけ難点がある。オイルの配管がキットのものでは20cm程度短いのである。そこで、ステンレスメッシュのホースを新規に買い足し、フィッティングを取り付けなおすという面倒な作業が必要になる。が、もともと面倒は覚悟の上の作業なのでホースも作り直した。ホースやフィッティングって買うと意外と高いのがお財布に優しくないところ。

しかし、後々サードパーティー製の等長エキマニを装着する予定であれば行っておいて損はないと思う。結局、グレックスのキットで残ったものはサンドイッチブロックのみとなってしまった。